【アメリカ】「東江兄弟」の番組上映 沖縄戦、奇跡の再会に涙


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左から、上原隆牧師、ヘンリー池原さん、フランク東さん、大城エナジック社会長夫妻、前原利夫牧師=11月、米カリフォルニア州ガーデナ市のゴスペル・ベンチャー教会

 フジテレビ2011年終戦記念特別番組「最後の絆~鉄血勤皇隊と日系アメリカ兵の真実~」がこのほど、米ロサンゼルスの隣接都市ガーデナ市のゴスペル・ベンチャー国際キリスト教会で上映された。

主人公の一人、フランク東さん(94)が悲惨な戦争体験を証言し、130人余の観衆の涙を誘った。
 第2次世界大戦中の沖縄を舞台に実話に基づいたドラマ。現在北カリフォルニア在住のフランク東さんはアメリカ生まれで、幼少のころ、両親と共に沖縄へ帰ったが、戦前に家族への経済支援のため渡米し、庭園業など農夫として働いた。
 日米開戦と同時に米陸軍情報部の一員として従軍、終戦間際に故郷沖縄に赴いた際に父や弟と再会を果たした。名護出身の東江家は父の名は盛長、母はカマドで、長男フランク東さん(改名前の名前=東江盛勇)は帰米2世。弟東江康治さん(元名桜大学学長)は日本軍の鉄血勤皇隊の一員。兄弟は沖縄で敵同士として戦った。終戦になり、山中で避難した家族を捜し回ったフランクさんはついに負傷した康治さんと再会。弟は米軍の手当てで一命を取り留めた。
 もう一人の弟のジョー東さんはカリフォルニア州オックスナードでイチゴ栽培で成功、北米沖縄県人会に多くの寄付をしている。
 「ウチナーンチュー・クリスチャンの集い」で上映された。発起人はフランク東さん、ヘンリー池原さん、前原利夫牧師で、ワシントンDC日本人キリスト教会の上原隆牧師。(当銘貞夫通信員)