戦前の首里を見て 万松院、大型上空写真を展示


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首里一帯の様子を捉えた上空写真を説明する松久宗清住職=15日、那覇市首里当蔵町の万松院

 那覇市首里当蔵町の寺院・万松院(ばんしょういん)(松久宗清住職)はこのほど、正面玄関ロビーで戦前の首里一帯の様子を捉えた上空写真のパネル展示を始めた。

寺を訪れる住民にも好評で、松久住職は「戦争で焼ける前の首里がどういう状況だったかが分かる。懐かしく見てもらえると思うので、多くの人に見てほしい」と話す。
 パネルは横約4メートル、縦約2・2メートルの大きさ。県公文書館保管の米軍が1945年に空撮した写真4枚を組み合わせ、拡大表示した。南西の那覇市松川から北東の浦添市前田付近までの様子が収められている。
 地域名や学校名などを表記している。首里城周辺は市街地が形成されているが、石嶺や久場川、末吉、大名周辺は農地が広がっているのが分かる。
 松久住職は「私は戦後生まれだが、戦前の街並みを見ると、地域の変貌、発展ぶりを強く感じる」と話す。「戦前生まれの人なら、懐かしさや郷愁を感じてもらえるのではないか。子や孫と来てもらい、当時の状況を振り返ってもらうのもいい」と語った。