次世代交え初公演 シュガーホールオーケストラ


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南城市の子どもたちとともに繰り広げる演奏で来場者を引き込んだシュガーホールオーケストラ=20日、南城市文化センター・シュガーホール

 南城市文化センター・シュガーホールを拠点に活動するプロ演奏家集団「シュガーホールオーケストラ」の初めてのコンサート「運命」(指揮・大勝秀也)が20日、同ホールであった。

おきでんシュガーホール新人演奏会オーディションの歴代入賞者をはじめ、県内外の演奏家が巧みな演奏技術を結集し、地元の子どもたちが参画したプログラムを繰り広げた。同ホールは県内唯一の音楽専用ホールとして開館して19年。次代を担う者たちとともに歩む、新たな船出を印象づけた。
 コンサートは南城市の中学生がオーケストラを体験するプロジェクトの一環。子どもたちはベートーベンの交響曲第5番「運命」を題材としたワークショップや、リハーサルを開放した現場体験に参加。コンサート当日も演奏家たちがオーケストラで使う楽器を音色とともに来場者に紹介したほか、子どもたちは合唱で演奏に加わった。
 コンサートは、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」序曲で幕を開く。「運命」は、鮮烈に鳴り響く冒頭の情熱的なリズムで来場者を引き込む。起伏に富んだ旋律はドラマチックで、大勝のしなやかな指揮の下で各楽器の特徴的な音色が引き出され、その調和によって作品世界を豊かに彩った。
 第2部は中学生たちのリクエストで選曲されたポップソングをオーケストラ編曲し、演奏した。GReeeeN「愛唄」(編曲・潮平大作)はセンチメンタルな旋律が印象的なラブソング。「運命」と同じドラムセットのない古典的な編成で、音色の柔らかい導入部からスケール感のある展開までを聞かせた。
 「モンスターハンター」は壮大な演奏で炸裂するエネルギーを表現。杉本竜一「BELIEVE」は佐敷中学校の生徒たちや、シュガーホールジュニアコーラスなどの合唱と共演。未来へ向けた希望の光を描いて幕を下ろした。(宮城隆尋)

英文へ→Sugar Hall Orchestra holds first performance