希少性ブランドに 沖縄発、国産コーヒー協会発足


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沖縄産コーヒーの可能性などについて意見を交わしたシンポジウム=22日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター

 国内初のコーヒー生産者団体「国産プレミアムコーヒー協会」が22日、県内で発足した。

設立記念シンポジウムが同日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれ、約50人が参加。沖縄発の国産コーヒーの普及、栽培技術や課題について意見交換した。その中で、希少性を付加価値としてブランド力を高めることで、「世界最高クラスのコーヒーに成長できる」と潜在力に期待感が示された。
 国産プレミアムコーヒー協会は、「沖縄を元気にする農業ブランド」の構築を目指し、セミナーや研修などを手掛けるNPO法人ウヤギー沖縄(沖縄市、近藤正隆理事長)が生産者ら24人で設立。この日は協会の目的や趣旨などを報告し、併せてシンポジウムを開催した。
 シンポは「世界のコーヒー栽培と沖縄コーヒーの可能性」をテーマに、東京で珈琲工房を経営する日本コーヒー文化学会理事の堀口俊英氏と、二十数年前から宜野座村でコーヒーを自家栽培しカフェを経営する宮里直昌氏が発表した。
 堀口氏は沖縄産コーヒーを飲んだ経験として「品質、味ともこれほどのレベルが作れるのかと思った」と感想を述べ「希少性があり、土壌条件を反映した品質、味、香りを出せれば、沖縄産という大きなブランド力を発揮できる」と指摘。現在、高級品としてキロ単価約4千円で流通していると紹介し「市場さえとらえれば、キロ単価5千円以上の価格帯を狙える」と述べた。
 宮里氏は、冬場に気温10度を切る気象条件を乗り越えた県産コーヒーはうまみが凝縮され、世界でもトップクラスの味と評価。「台風、冬場の風、土の管理、直射日光への対策がクリアできれば、成功への道が開ける」と強調した。
 シンポではそのほか、直射日光からコーヒーの木を守るための樹木(シェードツリー)の植え付けや精製方法など、栽培の注意点なども説明された。
 協会では当面、会員販売が中心だが、生産体制の拡充に伴い、同NPO法人から独立させる。協会共通のブランド名も提案していく予定。以前から生産者団体の設立を模索していたという宮里氏は「会員や生産者が統一の目標に向かっていければいい形になるだろう」と話した。問い合わせは、ウヤギー沖縄(電話)098(934)2339。