“メタボ”全世代で全国平均超 県民健康・栄養調査


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メタボリックシンドロームの状況(内臓脂肪症候群)

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者と予備群が、県内の40歳以上で男性は3人に2人、女性は3人に1人に上り、40歳以上の全年代で全国平均を上回っていることが、分かった。

県福祉保健部が23日に「2011年度県民健康・栄養調査」を発表し明らかになった。2006年度の前回調査と比べると、男性は該当者、予備群ともに増加。女性は該当者が増加し予備群が若干減少した。メタボの大きな原因とされる肥満者の割合も全年齢で全国を上回る深刻な状況だ。
 県は「メタボは糖尿病や肝機能障害、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こしやすい。青壮年層が健康状態の悪いまま、年を取ると健康長寿の危機につながる」と懸念している。
 調査は11年10月から12月上旬にかけ、県内全世帯から対象者を無作為に抽出し、満1歳以上の1588人(男性761人、女性827人)から回答を得た。
 40歳以上のメタボは男性が該当者31・0%(81人)で、予備群と考えられる人は34・9%(91人)、女性は該当者が17・1%(55人)で予備群が16・2%(52人)だった。該当者と予備群の合計は男性65・9%、女性33・3%。全国平均と比べると、男性が12・3ポイント、女性が10・5ポイント上回った。20代男性の該当者と予備群が22・7%に上り、全国平均(9・3%)の2・4倍の高さとなっている。
 BMI(体格指数)25以上かつ腹囲85センチ(女性は90センチ)以上の肥満者は男性は20代から3割を超え、40歳~50歳までの間で5割を上回っている。塩分摂取量は全国を下回っているが、揚げ物などに含まれる脂肪エネルギー摂取量が総エネルギーに占める割合が30%を上回り、適正範囲を超える人が、成人男性で3割強、女性で約4割を占め、男女とも全国平均を約10ポイント上回った。

<用語>メタボリックシンドローム
 糖尿病、心疾患、脳梗塞などを発症しやすいといわれる。県は今回、生活習慣病予防を大きな目標に掲げる国の判定基準に基づき調査した。「該当者」は腹囲が男性85センチ、女性90センチ以上で、かつ高血圧、高血糖、血中脂質異常の3項目のうち二つ以上の該当者や値を下げる薬の服用者を指す。「予備群」は腹囲は該当者と同様で、かつ3項目のうち一つに該当する人。