北の味でコザ活性化 沖縄市産業まつり初出店


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沖縄市産業まつりで額に汗をかきながらホタテを焼く伊藤新吉さん=1月26日、県総合運動公園周辺広場

 【沖縄】1月末に開催された沖縄市産業まつりで、北海道南部2市16町の特産品を扱う南北海道地産物流協同組合(みなほっの杜)が初出店した。

メンバーを率いた北海道森町の渡島信用金庫の伊藤新吉理事長(62)は、物流の拡大を通じて全国各地の地域活性化に取り組んでおり、北海道と沖縄との特産品を通じた交流にも意欲を見せている。
 「いらっしゃい」「沖縄は暑いさー」。約30度も気温の違う沖縄で、何度も額の汗を拭いながら2日間かけて約2千食のホタテを焼いた伊藤さん。陽気で威勢のよい声や、ホタテ焼きやイカめしなどの「道南の幸」の香りにつられて、会場を訪れた多くの人が列をつくった。
 昨年10月に東京都内であった会合で、コザ信用金庫の上間義正理事長と地域活性化の話題で意気投合。コザ信金ともタイアップし、産業まつりへの出店が実現した。
 信金のネットワークも活用しながら、農産物や海産物を中心とした物流の販路拡大とともに全国的に地域の活性化にも力を入れる。日本一長い大阪府の天神橋筋商店街にも常設店を開設予定だ。
 今回、市内の一番街商店街も視察した。閑散とした様子を見て「この状況を何とかしていきたい。北海道の“本物”をここで提供することで、何かができる」と感じたという。
 活気を失いつつある商店街を元気づけようと、北海道と沖縄双方の継続的な特産品の物流にも今後力を入れる考えだ。(当山幸都)