駒場高が伊江で民泊 震災縁に再会、交流


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民泊先の住民に、別れを惜しみ手を振る駒場高校の生徒ら=13日、伊江村の伊江港

 【伊江】11~14日まで東京から修学旅行で沖縄を訪れた東京都立駒場高校(奈良本俊夫校長)の2年生281人と教職員13人が、12日から1泊2日の日程で伊江村で民泊体験をした。同校の修学旅行で伊江村での民泊体験は初めて。2年前の東日本大震災で津波警報のため帰れなくなった同校の生徒を島の人が快く受け入れたのがきっかけで、あらためて人と人のつながりの大切さを確認した。

 2011年3月11日の修学旅行では、希望者20人と引率者が同村での「日帰り民家体験」に参加。午後4時最終便のフェリーで本部港へ出発する予定だったが、津波警報発令で欠航した。
 日帰り体験を受け入れた民家がそのまま宿泊を受け入れ、着替えも持たない生徒を温かく迎え入れた。当時の経緯が学校側に報告され、今年は民泊が実現した。
 当時引率した外木美穂教諭も来島。民泊体験を決めた目的の一つとして教職員らと離れ、他人と家族同然に過ごし、人との触れ合いを肌で感じてもらうことに大きな意味があると話した。
 離村式で修学旅行委員長の蝦名大智君(17)が「民家さんをはじめ、島全体で受け入れてもらった。人の温かさを感じ元気をもらった」と話した。引率した青木永二副校長は「2年前、東京で待機していた。離村式で生徒から帰りたくないという言葉を聞き、よい経験ができたと実感した」と話し、今後も続ける考えを示した。
 生徒らは受け入れ先住民と記念撮影するなど別れを惜しみ、涙ぐむ生徒もいた。(中川廣江通信員)