「難聴知って」児童が絵本 無視じゃない聞こえにくいんだよ


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障がいのことや学校で困っていることなどを素直に伝える絵本を作った東恩納珠莉さん(左)と與古田舞香さん=18日、うるま市立伊波小学校

 【うるま】うるま市立伊波小学校(八重尾悟校長)の難聴学級「みどり学級」に通う東恩納珠莉さん(6年)と與古田舞香さん(5年)は自身の障がいについて書いた絵本を作った。学校生活で困っていることや知っていてほしいことを素直に書きつづった。

担任の上間勤子教諭は「互いに学び合い、心が成長した証し」と目を細めた。
 人工内耳を付けている2人。以前は、人工内耳を髪で隠そうとしたり、朝会時に講話の内容を伝えようとする上間教諭の手話を嫌がったりすることがあった。
 しかし、みどり学級で障がいについて学んだり、発音の練習を積んだりするうち「障がいを受容してきた」(上間教諭)という。
 絵本では「無視じゃないよ。後ろからだと聞こえにくいんだよ」「補聴器は貸せないよ。とっても大事だから」など友人らに理解してほしいことを自分の言葉で伝えている。與古田さんが担当したページには「みどり学級LOVE」という文字と上間教諭らの似顔絵が書かれている。
 4月から東恩納さんが通う伊波中学校にも、難聴学級ができる。東恩納さんは「中学校にもこの本を持って行くし、難聴学級があるから不安はあまりない。卓球など運動や勉強を頑張る」と張り切っている。與古田さんも「苦手な運動など自分から積極的に頑張りたい」と話した。
 上間教諭は「同じ障がいがあり感情を共有できる仲間。障がいのない通常学級の仲間。二つの存在があるからこそ、彼女たちは成長した」と語り、2人を誇らしげに見詰めた。
(銘苅つばき)