當銘さん「必ず回復できる」 左半身まひ 3.8キロ完走


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左半身まひを乗り越えて、あやはし海中ロードレース大会で完走した當銘由雄さん(中央)と、それを支えた「チームとうめ」のメンバー=7日、うるま市与那城総合公園陸上競技場

 【うるま】脳卒中で発症した左半身まひを乗り越え、7日のあやはし海中ロードレース大会に出場した當銘由雄さん(70)=うるま市=は、リハビリで世話になった理学療法士らと“チームとうめ”を結成して、3・8キロのコースを完走した。

當銘さんは「きちんと病気と向き合って頑張れば必ず回復できる」と話し、同じ後遺症で苦しむ人たちにエールを送った。
 うるま市の消防団長を務めていた當銘さんは、フルマラソンや自転車ロードレースに参加する運動好きだったが、昨年2月に突然、脳卒中で倒れて入院。左半身まひと言語障がいが生じた。
 一人で歩けなくて絶望したが、「元の体に戻りたい」と奮起。リハビリで通う病院の作業療法士の安里優介さん(27)、理学療法士の津堅門大也さん(24)、言語聴覚士の安次嶺千弥子さん(27)と仲村わかなさん(26)らの支えで、入院から2カ月後には介助なしで歩けるようになった。
 當銘さんは「もう一度走りたい」と、次の目標にマラソン大会への出場を掲げた。安里さんらは病状から「正直難しい」と感じたが、「リハビリの励みになればいい」と考え、治療に携わった4人で支えることを決意。本人を含めてチームを結成し、當銘さんの似顔絵をプリントしたおそろいのTシャツを着て大会に臨んだ。
 昨年7月に退院したが、軽いまひが残る當銘さん。安里さんらが付き添い、ゆっくり走って1時間3分かけて全員でゴールした。「お世話になったみんなと一緒に走れて本当に幸せ。もっとリハビリをして元気な姿を見せてあげたい」と決意を新たにした。