【島人の目】日本の男


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外国人と話していて、男女の話になると、「男尊女卑」がアジアの、それも日本の“専売特許”のように思われている節があり、私はとても悔しい思いをする。
 アルジェリア系フランス人のNにイスラムの女性のことをしばしば聞くが、アルジェリアの若い女性は父親や長兄の目がうるさく光り、学校と家の往復だ、など、「へーいまごろねー」と思うことが少なくない。こういう説明のあと、Nは必ず「でも、日本もでしょ」と聞いてくる。「いつのこと言うてんねん」と私は切り返す。
 旅先で知り合った中国人女性は、「日本の男性って」と言い始めたので私はてっきり「優しい」と続くかと思ったら、「マッチョなの?」ときた。
 「またかよー」と思いながら、「育った環境、地域、世代によって違うけど、それはどこの国も同じよね」と同意を求めるように答えた。
 日本の男性が威張っているように“見える”のは、多分、デリカシーのなさを指しているのではないか。
 列に並んでいても、前の人を無視して自分が先にしたり、重い荷物を女性に持たせてもなんとも思わなかったりと、外国人にはそれが奇異に思われるようだ。
 フランスだって、ラテンマチズモ(男性優位主義)の国ではあるが、彼らは「騎士道精神」も受け継いでいるので、一応、優しいのである。
(又吉喜美枝、フランス通信員)