県傷痍軍人会・同妻の会11月末に解散 高齢化し「継続困難」


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総会を開き、解散を承認した県傷痍軍人会糸満支部=15日、糸満市潮平

 【糸満】沖縄戦などで負傷した元軍人、軍属、準軍属などでつくる県傷痍(しょうい)軍人会(宮城繁会長)と、その妻らでつくる同妻の会(玉城美恵子会長)は、ことし11月末に解散する。会員の高齢化や減少などが理由で、県内各地の支部でも解散が相次いでいる。両会は同月22日に解散総会を開く予定。

 県傷痍軍人会は1954年、同妻の会は73年に設立。傷痍軍人の処遇改善などを国に働き掛けてきたほか、会員の交流、生活相談に取り組んできた。
 ことし1月1日現在の会員数は、傷痍軍人の会が422人、同妻の会が385人で、全国で最も多い。現在活動する支部は、南風原、南城、那覇、豊見城の四つで、会員の平均年齢は80代後半になるという。宜野湾支部は昨年、解散した。
 15日、同会と同妻の会糸満支部は同市潮平で合同解散総会を開き、解散を承認した。
 糸満支部の玉城政信支部長(82)=市大里=は「会員らは90歳を超え、孫に手を引かれてやっと散歩ができるくらい。継続したいが難しい」と残念そうに話した。
 来賓で招かれた宮城会長は「日本傷痍軍人会(日傷)は11月末で解散する。沖縄だけ頑張ってもせいぜい2、3年くらいしか活動できない。(日傷と)一緒に解散したほうがいいと考えた」と説明した。