県高校総合体育大会最終日は5日、県内各地で3競技を行った。テニスは男子シングルスを制した玉城翔平が、平良康太郎と組んだダブルスでも優勝し、団体と合わせて4年ぶりの3冠達成者となった。
女子シングルスはリュー理沙マリー、同ダブルスは楚南美波・大嶺真緒組が頂点に立ち、沖尚勢が男女シングルス、ダブルス、団体の全種目を独占した。ラグビーは名護が31―7でコザを破り、2年ぶり15度目の優勝を果たした。バドミントンのシングルスは、男子を上原正太(沖水)が制し、ダブルス、団体と合わせて3冠を達成。女子は金城悠姫(同)が初優勝を決めた。
強気貫き涙の3冠/玉城
どうしてもこの相手に勝ちたい―。闘志を前面に押し出したプレーで男子シングルスを制した玉城翔平(沖尚)。勝利の瞬間、後輩から贈られたという白い鉢巻きをほどき、流れる涙を両手で押さえた。
決勝前日、玉城は仲田達司コーチに伝えていた。「自分を追い込んでやってきた。明日は自信を持って思い切りやります」。対戦相手の宮城陵太(沖縄工)には高校入学後、宮城が脚をつった試合をのぞいて勝ち星がない。それだけに、最後の県総体に懸ける思いは強かった。
この日は、直前の雨で「相手が乗り切れていない」とみて、冷静に試合を組み立てた。雨の影響で球が弾まないのを逆手に取って低い弾道で切り返し、足が止まった相手に前衛から強打を打ち込む。「自分は誰よりもやってきたんだ」。そう繰り返しつぶやき、3―3から3ゲーム連取するなど強気を貫いた。
昨年までは後方で粘る展開が多かったが、前に出る攻撃的なスタイルに取り組み、苦手だったフォアも積極的に打つようになった。4月の天沼杯で宮城に敗れてからは、練習後にトレーニングメニューをこなし、早朝には素振りもした。自らを厳しく律してきた成果を大一番で発揮した。
シングルスに続いてダブルスも制し、団体と合わせて3冠を達成した。「自分だけのものじゃなくチームの3冠」。もがいた日々を乗り越えた主将の涙に、みんながもらい泣きした。(大城周子)
◆1年で堂々女王/リュー
女子シングルス決勝は1年生のリュー理沙マリー(沖尚)が8―3で快勝。「とにかく落ち着いて攻めることを意識した」と笑顔を見せた。
球が跳ね返った直後に柔らかいタッチで返すのが特長。位置取りの感性も抜群で、相手選手だけでなく、指導者の意表も突くショットを繰り出した。
カナダ出身の父がテニスをしていた影響もあり、5歳からラケットを握る。おっとりした性格。高校での全国戦デビューに向け「気持ちでは負けないよう上にいきたい」と意気込んだ。
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