1954年に沖縄から第一次移民として南米ボリビア共和国に移住し、79年に帰郷後、2002年に再度ボリビアへ渡った長山哲さん(91)、冨美子さん(88)夫婦が2日、11年ぶりに帰郷した。
那覇空港では親族や沖縄ボリヴィア協会の会員ら約30人が夫婦を温かく迎えた。二人は「お帰りなさい」との呼び掛けに笑顔で「ただいま」と返し、哲さんは喜びの涙で頬をぬらした。
哲さんが団長を務めた移民団は1954年にボリビアに入国後、原生林を開墾して農場を造った。洪水や干ばつに襲われ、熱病で15人の仲間が亡くなるなど多くの苦労を重ねながらも、キャッサバ(芋)や米、大豆などを育て、農業発展に力を注いだ。
79年、沖縄に戻った際には、ボリビアからトックリキワタなどの南米植物の種を送ってもらい、沖縄に熱帯花木を植える緑化運動にも取り組んだ。
2002年にボリビアに戻ったが、高齢になったことなどから帰郷を決意。ことし9月、調査で現地を訪れていた県立看護大の大湾明美教授らの支援を受け、帰郷が実現した。夫婦は豊見城市の老人施設に入居する。
哲さんは「感動で言葉が出ない」と話し、親族らとの再会を喜んだ。
英文へ→First generation Okinawan Bolivian couple returns to their homeland