海越え県人の絆確認 喜名小6年、ボリビア移民60年を劇に


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コロニアオキナワの児童たちが喜名小から来た児童を歌三線でもてなす場面=読谷村立喜名小学校

 【読谷】ボリビア移民60周年を記念し、読谷村立喜名小学校(稲嶺春美校長)の6年生はこのほど、県系移民の歴史や1世、2世の努力を描いた劇に挑戦した。主役の少女を演じた石嶺杏奈さん(12)は「離れていてもウチナーンチュはつながっている」と海を越えた絆を体感した。ボリビアからも観客が訪れ、劇の映像は現地でも上映される予定だ。

 ボリビアには県系移民が未開のジャングルから数十年かけて切り開いた移住地「コロニアオキナワ」がある。
 劇のきっかけは、ボリビア最後の派遣教員として現地で教えた古謝敦子教諭。海外に「オキナワ」と付く地名があることに驚いたという。
 授業では、沖縄出身の移民たちが沖縄の言葉や文化を守りながら世界中で暮らしていることなどを教えた。
 劇は、喜名小の児童が親戚に会うためにボリビアを訪ね、現地の人々との交流を通して1世の苦労や、農地を増やし移住地を発展させた2世の努力を知るストーリーとなっている。。
 エイサーや三線などの伝統芸能も交えながら、最後は両国の子どもたちが「僕たちはウチナーンチュだ」と叫び、互いの絆を確認し合った。
 ボリビアから駆け付け劇を鑑賞したオキナワ第1日ボ学校の井上久美校長は「海の向こうで同じ言葉を話し、三線を弾く子たちがいるとを知ってもらい、うれしい」と話した。
 出演した仲石修君(12)の祖母で、ボリビア移民1世の島袋朝子さん(62)=読谷村=は「感動した。ボリビアを思い出した」と手をたたいて喜んだ。