大濱5冠、成海4冠 県高校総体・自転車


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スクラッチ決勝 最終コーナーで一気にトップに立つ大濱光貴(中央)=12日、県総合運動公園自転車競技場(花城太撮影)

 2014年度県高校総合体育大会は12日、県総合運動公園自転車競技場で、先行競技の自転車の最終日を行った。大濱光貴(北中城)がスクラッチ、ケイリンで優勝し、団体種目も含め計5種目で栄冠を手にした。3キロ個人追い抜きを制した成海大地(普天間)は4冠を達成。スプリントは屋良龍之輔(美里工)が頂点に立った。

◆けがの試練、成長の糧に 5冠の大濱
 大濱光貴がスクラッチとケイリンを制し、団体2種目を含む5冠を達成。北中城でただ一人の3年生が、強豪校の主将らしく堂々とした足跡を刻んだ。
 この日最初のスクラッチは「ただ勝つのではなく積極的にやって勝つという、かっこいい勝ち方ができた」と自画自賛する内容。序盤から繰り返し仕掛けて人数を絞り、マークしていた當原隼人(与勝)が逃げに出た際も、後輩の上原祐真を引き連れて冷静に追い付いた。残り2周を切ると今度は上原がアタック。それを當原が追うように仕向けて脚を使わせ、最終コーナーで鋭く抜き去った。
 ケイリンは開始直後から、自身を先頭に北中城勢4人で誘導者の後ろに並んでレースを支配。「チームとして納得のいく走りができた」と振り返った。
 昨年11月の九州新人大会で落車し、鎖骨を折った。この時のけがで得た経験が、大濱の原動力だ。親の支えに感謝し、仲間たちの隠れた努力に刺激を受けた。より真剣に練習に取り組むようになった。
 この1年で体重は約4キロ増え、筋力や体幹を鍛えたことで走りに無駄なぶれがなくなった。昨年の全国総体は4キロ速度競争で準決勝敗退。「断然グレードアップしている。今年は全国優勝したい」。雪辱の先にさらなる高みを見据える。(大城周子)

※注:大濱光貴の「濱」は、右側がウカンムリに「眉」の目が「貝」