興南男女(剣道)気迫V 県高校総体第3日


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 県高校総合体育大会第3日は1日、県内各地で行われ、剣道団体は男女の興南がともに優勝を飾った。重量挙げは男子69キロ級の宮本昌典(沖縄工)がスナッチ、ジャーク、トータル全てで大会新記録を樹立し、女子63キロ級は福里悠(宮古)がスナッチとトータルで大会記録を塗り替えた。

水泳は男子400メートルリレーの那覇西が3分40秒30の県高校新記録で優勝。男子1500メートル自由形の安田一平(那覇)、女子50メートル自由形の藤愛海(首里)、同100メートルバタフライの上原楓(陽明)も大会新記録をマークした。レスリングの個人55キロ級は徳比嘉一仁(南風原)が制し、陸上の男子400メートル障害は崎本和誠(那覇西)が12年ぶりに大会記録を更新して頂点に立った。なぎなた団体は沖尚が2年ぶりに栄冠を手にし、バドミントン団体は男子の沖縄水産が8連覇、女子のコザが6連覇を達成した。

 女子興南が新人戦で敗れた那覇を大接戦の末に打ち負かし、3度目の5連覇に輝いた。2年ぶりに男女団体を同時に制し、興南旋風を巻き起こした。
 決勝リーグ2勝同士で迎えた那覇との最終戦。勝敗の行方は大将戦に預けられた。主将で興南の大将を務める福里彩花は前日の個人戦を制した勢いで、積極的に攻めた。福里は試合中、那覇の大将・宮城光主将に激しく当たり、2度も吹き飛ばすほど気迫がこもっていた。熱戦は延長戦でも勝負がつかず、大将同士の代表戦に突入した。
 福里は、相手が仕掛けてきた時に合わせて返す「出ばな技」を終始狙っていたが、宮城は巧みにかわし続けた。だが代表戦になり「ここまで来たら、思い切っていかないといけない」(福里)と考え、宮城が不用意に手元を上げた瞬間を見逃さず、渾身(こんしん)のコテを打ち込んだ。大激戦を制した福里は試合後、「これまでの気持ちを込めて打った」と涙を見せながら振り返った。
 今年は個人男女も興南勢が栄冠をつかんだ。澤村卓巳監督は「男女とも新人戦で敗れた悔しさでここまで来られた。選手たちに感謝したい。全国でも上位を目指したい」とうれしそうに話した。(梅田正覚)

◆土俵際から劇的逆転/2年ぶり男子頂点
 男子団体は、新人戦を制した第1シードの那覇が準々決勝で敗れる波乱含みの展開。本命視されていた興南も、決勝リーグ2勝同士の小禄戦は土俵際から踏ん張り、際どく勝利を勝ち取った。
 事実上の決勝となった小禄戦は、全員1年生ながら勝ち進んできた小禄の勢いに押され、興南は先鋒(せんぽう)、次鋒が敗れ、後がなくなった。
 ここで個人戦を制した中堅の前村寿弥主将が2本のメンを決め、踏ん張った。副将も勝って迎えた大一番の最終戦。大将の漢那宗鷹が終了間際に会心のメンを決め、劇的な勝利を飾った。漢那は「1本を取ってやるという気持ちで臨んだ」と笑顔で話した。
 前村は「去年負けた悔しさを糧に練習をしてきた。本当にうれしい」と勝利をかみしめた。全国大会に向け「自分たちの剣道をすれば全国でも通用する。気持ちを切り替えたい」と意気込んだ。

※注:崎本和誠の「崎」は、「大」が「立」の下の横棒なし

女子決勝リーグ 上背を生かした力強い剣さばきでチームの優勝に貢献した興南の福里彩花(左)=1日、首里高校(普久原裕南撮影)
男子決勝リーグ 鮮やかなドウで1本を奪う興南の前村寿弥(左)