ソフト・読谷(男子)16度目制覇 県高校総体第4日


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男子決勝 具志川―読谷 7回2死二塁、決勝の2点ランニング本塁打を放つ読谷の新垣駿=2日、読谷村運動広場(普久原裕南撮影)

 県高校総合体育大会第4日は2日、県内各地で12競技があり、ソフトボール男子は読谷が決勝で具志川を2―0で下し、2年連続16度目の優勝を飾った。女子決勝はコザが浦添商を4―0で破り、2年連続4度目の頂点に立った。

陸上は男子800メートルの山城興平(前原)が1分55秒11の大会新記録を樹立して優勝。ボウリング個人戦は男子で知念英夢(美里)、女子で長嶺玲菜(宜野湾)が栄冠を手にした。バドミントンのダブルス男子は森屋隆成・金城龍太組(コザ)、同女子は内間有紀・比嘉海瑚組(同)が制した。空手道の個人組手男子は玉城大護(前原)が優勝し、同女子は新垣夏紀(浦添)が2連覇を果たした。ソフトテニスは個人戦決勝があり、男子は喜瀬和紀・宮里政耶組(名護)、女子は堀川葵・桃原杏梨組(同)が優勝した。

◆ソフトボール 読谷・新垣/最終回2死、決勝2点弾
 読谷の新垣駿は走った。一塁を蹴り、二塁を蹴る。右翼線に放った打球はまだ内野に戻ってこない。三塁を蹴り、本塁に滑り込む。七回2死二塁、勝負を決める2点ランニング本塁打だった。「気持ち良かった」。両手を大きく広げて喜びを爆発させると、歓喜の輪に包まれた。
 毎回のように得点圏に走者を進めながら、本塁が遠かった。初回は1死三塁からスクイズを失敗した。二回は1死から山城祐樹の三塁打で好機をつくったが、あと1本が出なかった。宮城誠輝監督は「相手投手の緩急をつけた投球にタイミングを外されていた」と振り返る。
 打線が苦しむ中で、先発の知念貴が踏ん張った。「いつもは打撃に助けられているので今日は自分が抑えようと思った」。外角をうまく突いてカウントを稼ぎ、要所ではライズボールで空振りを奪う。「今日は切れもスピードも良かった」。二回に2死満塁のピンチを切り抜けると、その後は三塁を踏ませなかった。
 0―0のまま迎えた最終回、新垣は「相手投手の球が荒れている」と気付いた。甘い球を見逃さず、値千金の一打を生み出した。「二塁走者はかえってくると思ったけど、自分までかえれるとは」。ランニング本塁打になったことに驚きを隠せない様子だが、「全国制覇を狙っているので、ここでは満足しない」。チームを勝利に導いたヒーローは、新たな目標を見詰めていた。(平安太一)