85歳・比嘉さん、パンフラワー教授免許 「余生を趣味に」


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パンフラワーの教授免許試験に出展した作品と比嘉春さん=9日、うるま市東山新町のエンゼル教室

 【うるま】色付けした粘土で、花などの造形物を制作するパンフラワーの教授免許に85歳の比嘉春さん=読谷村楚辺=が合格した。「やっと自分の時間が持てるようになった」と、80歳から始めた手習い。

75歳まで家政婦やホームヘルパーなどとして働き、5人の子を育てた。パンフラワーに魅了され「今はこれが楽しみ」と、目を細め、器用な手先を生かし、作品づくりに夢中だ。
 比嘉さんは毎週火曜日、うるま市東山新町にあるエンゼル教室(ヨーコ・バートンさん主宰)に通う。教授免許は、自らが制作した作品を2次にわたり提出する。花びらや葉の微妙な色の調合などが厳密に審査され、合否判定される。東京都世田谷区にあるジュンコ・フローラ・スクールから教授免許証を交付された。
 交通事故に遭った夫に43歳で先立たれた。比嘉さんが47歳の時だ。以来、家計を支えるために働きづめ。「できる範囲でやってきた」と振り返る。食べる野菜は今も自分で作っている。75歳の時「まだ働けるとは思ったけど、思い切って余生を趣味に」ささげた。
 パンフラワーに取り組んで5年。「仕上がりがいつも楽しみ。家中に自分の作品が飾ってある」と笑顔で話す。教授免許を取得し「みんなのおかげ」と、共にパンフラワーに取り組む教室仲間と喜び合った。