「大浦湾は世界の宝」 サンゴ礁研究のミュージック氏


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米軍キャンプ・シュワブゲート前のテントで、辺野古の島袋文子さん(右)と交流するキャサリン・ミュージックさん(左)=22日、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】海洋学者として世界各地のサンゴ礁を研究しているキャサリン・ミュージックさん(66)が22日、米軍普天間飛行場の移設先となる名護市辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前で新基地建設に反対する市民の座り込みテントを訪れた。

ミュージックさんは「太平洋で一番のサンゴ礁を有する大浦湾は世界の宝。皆さんの運動は今や世界に広がっており、大成功だ」と激励した。
 「山ぬはぎねー、海んはぎん。海ぬはぎねー、ウチナーんはぎん(山がはげれば海もはげる。海がはげれば、沖縄がはげる)」と、しまくとぅばで語り掛けたミュージックさん。1980年代と2000年代に沖縄に延べ11年滞在し、石垣市白保のサンゴ礁保護などを訴えた。ことし2月にはキャロライン・ケネディ駐日米大使に「一緒に大浦湾に潜ろう」と手紙を送った。今回、県内の関係者の招きで来沖し、26日に名護市内で開かれるシンポジウムなどに出席する。
 米ハーバード大教授などを務め、世界30カ所以上の海で調査をしてきたミュージックさん。「カリブ海など世界中でサンゴ礁が失われている。温暖化や赤土汚染、酸性化など理由はさまざまだが、(基地建設で)わざと殺すのは信じられない」と大浦湾の世界的な価値を強調した。
 「大浦湾は山と川があり、マングローブの生物など、全てを備えたエコシステムだ。軍事基地より海洋公園にした方が雇用や教育の面でも効果がある」と指摘し、「破壊か調和か、沖縄の人には選ぶことができる。スコットランドと同じで、沖縄には民主主義が生きている」と語った。
英文へ→Oceanographer claims Oura Bay is a world treasure