沖縄そばを世界へ サン食品土肥社長が講話


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沖縄そばの魅力について語る土肥健一さん=25日夜、北中城村の大城公民館

 【北中城】知的好奇心あふれる中高年を対象に開かれている「北中城じんぶん大学」の第8回講座が25日、北中城村大城公民館で開催された。サン食品(糸満市)社長で沖縄生麺協同組合の最高顧問も務める土肥健一さん(79)が「本場の本物 沖縄そばの魅力」と題して講話した。

 土肥さんは熊本県出身で、復帰前に沖縄を訪れ1968年に那覇市にサン食品を開業した。沖縄三越の前身の大越時代から地下で店を構えていたことや、年越しそばを売るために工夫を重ねたエピソードも交え、沖縄そばの普及に取り組んできた日々を振り返った。
 1976年、公正取引委員会からそば粉を利用していない沖縄そばをそばと呼ぶことはふさわしくないと指摘を受けた際には、組合役員として沖縄そばの保護活動に尽力した。何度も東京で折衝を重ね、78年に正式に呼称認定を受けた。土肥さんは「沖縄そばを知ってもらうため、半ば無理やり東京の官僚を沖縄に引き連れたこともあった。外国にも行き、沖縄そばの起源に関わる資料を集めた」などと当時の様子を語った。
 現在は、機械化も図りつつ沖縄そばを1日70~80万食生産・出荷できることを目標に掲げている。
 来年5月にイタリアで開催される2015年ミラノ国際博覧会にも沖縄生麺協同組合で参加する予定だという。土肥さんは講話の最後に「パスタは400年かかって世界を制覇した。今は飛行機がある。40年あれば沖縄そばが世界を制覇できる」と力を込めた。

※注:土肥健一社長の「土」は、右上に「、」
英文へ→President of major Okinawa Soba producer plans to make the noodle popular worldwide