シュワブ2施設、石綿除去確認 県「問題なし」、解体へ


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ゲート前に座り込み抗議する市民ら=1日、名護市辺野古米軍キャンプ・シュワブゲート前

 【辺野古問題取材班】米軍キャンプ・シュワブ内陸上部分の解体施設に飛散性アスベスト(石綿)が含有していた問題で、県と労働基準監督署、名護市は1日、シュワブ内でアスベスト除去作業の対策の状況を確認した。

確認したのはアスベストを含有する6施設のうちの2施設。県は確認後、除去対策について「問題はなかった」と回答した。沖縄防衛局は2施設のアスベストを除去次第、両施設の解体工事に着手するとしている。
 防衛局は9月22日から、アスベストが飛散しないよう、施設内部をプラスチックシートで覆い粉じんを密閉する「養生」などの対策を行っていた。
 県、労働基準監督署、名護市が確認したのは、アスベストの除去作業を行う6施設のうち危険性の低い、非飛散性「レベル3」の工場と診療所の2施設。
 一方、危険性が6施設で最も高い「レベル2」の飛散性のアスベストを含有する隊舎は、10月27日からの作業開始を予定しており、県職員らも立ち会う。
 辺野古区は9月19日、防衛省から除去作業に向けた対策準備を同22日から始めるという連絡を文書で受けていた。嘉陽宗克辺野古区長は「きちんと応えてくれている」との認識を示した。
 キャンプ・シュワブ内の対策作業確認の連絡を受け、平和市民連絡会の北上田毅氏は「県は防衛局からの情報をうのみにしている。防衛局が情報を隠す可能性もあり、厳しく作業を監視すべきだ」と指摘した。

◆市民ら「説明責任を」
 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内の建物で、1日、アスベストの飛散防止作業が行われたことについて、シュワブゲート前で新基地建設に反対する市民らは「解体工事を強行しようとしている」と強く抗議した。
 最大で約40人集まった市民らは「説明責任果たせ」などと訴えてゲート前を行進したり約15分間ゲート前に座り込んだりし、抗議の意思を示した。
 沖縄平和運動センターの山城博治議長は「県民全体への説明もなく解体工事を強行し作業ヤード建設を進めようとしている。決して許されない」と怒りを示した。ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表は「生命や健康に関わる問題にもかかわらず、突き進む暴挙を許してはいけない」と批判した。