辺野古テーマに映画制作 輿石正さん、心の闘争描く


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「次世代に平和をつなぐ」作品づくりに取り組む輿石正さん=9日、名護市大中

 【名護】名護市内の予備校校長、輿石正さん(68)=じんぶん企画代表=が、埋め立てによる新基地建設計画で揺れる名護市辺野古の現状や歴史などを描いたドキュメンタリー映画「泥の花」の制作に取り組んでいる。

「基地はいらない・命の響き」「辺野古不合意」などに続き、辺野古問題に関連する4本目の作品。住民目線をテーマに、平和を願う「心の中の闘争」を描く。
 映画は7月以降に始まった米軍キャンプ・シュワブ沖でのボーリング調査に対する海上行動やゲート前抗議をはじめ、稲嶺進名護市長や平良朝敬かりゆしグループCEOへのインタビューを盛り込む。
 「沖縄には基地負担に対し静かに闘い続ける人々がたくさんいる」と輿石さん。平和を切望する住民らの声なき声を捉えていく。
 今回のボーリング調査やゲート前での住民と県警らとのぶつかり合いでは「強引な強権力」を目の当たりにし、「政府の対応はこれまでと違う」と感じている。しかし一方で、自身の予備校に通う子どもらの変化にも気付くという。辺野古問題を取り上げた新聞を熱心に読む姿や抗議集会へ参加し始める生徒も出てきた。「負の遺産への危機感が芽生えてきている」と話す。
 「諦めない闘いを続ける姿を、今だからこそ発信していきたい。県民の怒りと優しさを表現したい」。90分の作品に「つなぐ思い」を込める。
 「泥の花」の上映会を25日午後6時から名護市労働福祉センターで行う。問い合わせはじんぶん企画(電話)0980(53)6012。