防衛局、辺野古本体工事の入札公告 6月着工目指す


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沖縄防衛局の入札公告

 沖縄防衛局は24日、米軍普天間飛行場の移設を予定する名護市辺野古沿岸部に護岸などを建設する工事の受注業者を募る入札を公告した。埋め立て予定区域の外周部の約3割に当たる護岸の整備など計6件で、移設計画に伴う埋め立て本体工事の入札手続きは初めて。

2015年2月ごろに受注業者を選定する方針。15年6月ごろまでの着工を目指し、17年度末までに全ての工事を終了させる予定だ。
 防衛局は8月18日に辺野古沖で海底の地質を調べるボーリング調査を開始。9月中旬までに調査予定21地点のうち12地点で調査を終了した。入札公告について「今回海底調査で得た情報の他に過去の地質情報もあり、入札の準備が整った」としている。
 公告した工事は(1)ケーソン(コンクリート製の箱)新設(1工区)(2)ケーソン新設(2工区)(3)二重締め切り護岸新設(4)傾斜堤護岸新設(5)中仕切り護岸新設(6)汚濁防止膜等―の6件。開札日は来年1~2月を予定し2~3月に業者を選ぶ方針。
 ケーソン、二重締め切り護岸、傾斜堤護岸は埋め立て区域の外周部で、外周の総延長約4900メートルのうちの約1300メートルを今回の工事で整備する。工期はいずれも2年以上で、本格的な埋め立てに向け、土砂を投入する際の仕切りになる。
 中仕切り護岸工事は、ケーソンの仮置き場として使用する海上ヤードの整備を含んでいる。製作したケーソンを海上ヤード(約3800平方メートル)に仮置きする。
 事業額は明らかにしていないが、政府は7月に本体工事や調査関連費として総額637億円の支出を閣議決定している。
 ボーリング調査は9地点が未着手だが、台風で施工区域を示す浮具(フロート)が流され、再設置に時間を要している。11月末までの期間に終了できず、予定を見直す可能性もある。