辺野古に100メートル超仮設桟橋 防衛局が設置へ


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 沖縄防衛局が米軍普天間飛行場の移設を予定する名護市の辺野古崎付近に、100メートル以上の仮設桟橋を設置することが分かった。砕石などで敷き詰め、大型車両が通行できる工事用桟橋を整備する。来年前半の着工を目指している埋め立て本体工事に向けた資材の運搬に使用する。

防衛局は24日に本体工事の受注業者を募る入札公告をしており、それに向けた海上工事が始まることになる。だが移設の是非は30日告示された知事選の最大の争点で、県民の反発がさらに強まる可能性がある。
 防衛局は6月中旬に大手ゼネコンの大成建設(東京)と「シュワブ仮設工事」として、本体工事に向けた準備工事の契約を55億2千万円で結んでおり、仮設桟橋整備はその一つ。仮設桟橋設置は環境影響評価書や埋め立て承認申請書に記載がないが、使用後に撤去する場合、海上保安庁のゴムボートの係留に使用された浮桟橋同様、公有水面埋立法に基づく設計変更を申請する必要がないという。
 ただ県幹部によると、足場を固定するための砕石を撤去せずにそのまま埋め立てて代替施設を整備する場合は変更申請が必要。
 仮設桟橋について防衛局は「資材搬出などに使用する」としているが、工法や着工時期、撤去予定など詳細は明らかにしていない。
 一方、防衛省幹部は「いずれは埋め立てる区域だ」と述べ、砕石は撤去せずそのまま埋め立てる考えを示唆したが、その場合は埋め立て前にあらためて変更申請提出を求められることになりそうだ。
 防衛局が7月に県に提出した本体工事に関する岩礁破砕申請には仮設桟橋の図面が記載されていたが、警備上の理由から県に公表しないよう依頼。県の公表では仮設桟橋に関する部分が黒塗りにされている。
 大成建設は「担当者が不在」として取材に応じていないが、工事に必要な資材などを近く米軍キャンプ・シュワブ内に搬入するとみられる。