辺野古の仮設桟橋、海底調査に使用 知事承認の必要も


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画で、沖縄防衛局が辺野古沿岸部に設置を予定している仮設桟橋が、海底ボーリング調査にも使用されることが31日、分かった。着工は11月16日投開票の知事選後を予定している。

完成まで数カ月かかる見通しで、台風の影響などで中断した海底調査の日程に遅れが生じるのは必至だ。仮に桟橋を撤去せずそのまま移設に向けて埋め立てを計画する場合、工法の変更申請を提出して県知事の承認を得る必要が出てくる可能性もあり、次期知事の判断が作業の進展に大きく影響しそうだ。
 防衛局は仮設桟橋について「調査や資材搬出などに使用する」と説明しているが、詳細については「回答できない」としている。
 仮設桟橋は、防衛局が6月中旬に大手ゼネコンの大成建設(東京)と契約した埋め立て本体工事に向けた準備工事の一つ。長さは陸上部約30メートル、海上部約70メートルの計約100メートル。工事では環境保全目的で汚濁防止膜を設置し、砕石が崩れないように金属製資材も使用する「事実上の埋め立て」(防衛省関係者)となる。
 設置部分は代替基地にかかる埋め立て予定区域内にある。県幹部は「砕石を撤去せずそのまま埋め立てるなら公有水面埋立法に基づく設計変更申請が必要になる可能性もある」と指摘し、埋め立て本体工事全体の中で仮設桟橋の位置付けを検討する考えを示している。