歌手の夢 仲間が“実現” 19歳で早世・儀間夏海さん


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 【読谷】歌手になる夢を持ちながら、がんのため19歳の若さで亡くなった儀間夏海さんの夢をかなえようと、夏海さんが書きためた歌詞に曲を付け歌う「なっちゃんの夢をかなえるプロジェクト」が始まる。

8日午後6時から那覇市の南西観光ホテルで、初めてのディナーライブを開く。12月にはCDも完成予定だ。夏海さんの母・ひとみさん(45)は「夏海は最後まで生きることを諦めなかった。最後に残したメッセージを聞いてほしい」と語る。
 夏海さんは中部商業高校在学中の2011年に血液のがんを患い、母と弟から2度にわたり血液細胞の移植を受け、4度の再発と懸命に闘ったが、ことし2月に亡くなった。
 小学5年の時から歌手になる夢を持った夏海さんは、入院中に歌を書くようになった。常に前向きに治療に向き合ったが闘病中に書いた「滴~しずく~」には、「ねえ誰か助けて/私いつからこんなに泣いてるの?/悲しくて悔しくて/ずっとずっと泣いているの」と悲痛な叫びもつづられている。
 10月に読谷村で開かれた座喜味城通りふれあいまつりで、歌手の貴之さんと花城舞さんが初めてひとみさんの前で3曲を披露した。ひとみさんは「夏海の思いが一つ一つかなっていく。私のそばで一緒に聞いてくれているみたい。涙が止まらない」と話した。
 貴之さんは「なっちゃんが生きた証しを歌を通して伝えたい」、花城さんは「命の大切さや頑張ろうという前向きな気持ちで受け止めてほしい」と語った。
 ディナーライブは貴之さんと花城舞さんのほか、夏海さんの高校の先輩で歌手の円香さんも歌う。午後6時開場。ディナーバイキング込みで、前売り4500円。当日5千円。問い合わせは(電話)098(988)8670(事務局)。

夏海さんの作詞した歌を歌うミュージシャンの花城舞さん(右)と貴之さん=10月19日、読谷村
儀間 夏海さん