防衛局、辺野古に岸壁も計画 岩礁破砕申請書に記載


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 沖縄防衛局が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けて県に提出した岩礁破砕申請書で、長さ約300メートルの「仮設岸壁」を辺野古崎付近に設置する計画を盛り込んでいることが分かった。昨年県に提出し知事が承認した埋め立て申請には記載していない。

 ただ仮設岸壁に関して防衛局関係者は「設置予定は桟橋だけだ」と述べ、埋め立て工事に向けて整備するのは、海底ボーリング調査などのための仮設桟橋だけとの見通しを示した。
 岩礁破砕申請書によると仮設岸壁は幅17~25メートル。面積は6546平方メートル、容積は2万300立方メートルで砕石などを投入して整備する。
 取材に防衛局は仮設岸壁について「回答を差し控える」として、設置するか否かも含めて明らかにしていない。岩礁破砕申請書では仮設岸壁は辺野古崎付近、仮設桟橋は大浦湾側に設置する計画。いずれも重機で砕石を投入し、網に入れた石の塊を海上に積み上げる。
 仮設桟橋については、防衛局は準備が整えば25日にも設置作業を開始するとみられる。また大型スパット台船を使用した水深の深い9カ所での海底掘削調査を12月中旬以降に実施する方向で調整しており、当初予定していた11月末の履行期間を延長する方針。
 仮設桟橋の長さは海に突き出す部分が約65メートルで、幅は約22メートル。面積は658平方メートルで、海底までを含む容積は900立方メートル。
 県は2013年末に仲井真弘多知事が辺野古埋め立てを承認した際、留意事項として防衛局に対し本体工事に着手する前に「実施設計の協議」を行うよう求めているが、防衛局は桟橋についてはあくまで「仮設」と説明。県は本体工事前に撤去する場合、「協議や設計概要の変更申請は必要ない」(土木建築部)との認識だ。