辺野古浮桟橋を撤去 衆院選後まで作業中断の可能性


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再設置した浮桟橋の陸揚げ作業を行う作業員ら=22日午前9時26分、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設計画で、沖縄防衛局と海上作業の警戒に当たっている海上保安庁は22日、米軍キャンプ・シュワブ沿岸部から浮桟橋やゴムボートを撤去した。浮桟橋は19日に再設置されたばかりで、22日まで海上作業はほとんど行われなかった。

12月14日投開票の衆院選への影響を回避するため、衆院選後まで海上での作業を見合わせるとみられる。
 防衛局は取材に対し「準備が整い次第、作業を開始するという方針に変わりはない」と述べ、政治的理由については言及しなかった。防衛局は25日にも仮設桟橋の設置作業に着手する方向だった。だが、施工区域を囲うフロート(浮具)の再設置に必要な浮桟橋が撤去されたことから、海上での作業日程を再調整しているとみられる。11月16日投開票の知事選の際も選挙戦への影響を考慮して作業を中断した経緯もあり、衆院選でも同様の判断が働いた可能性がある。
 22日は防衛局と海上保安庁が午前8時ごろから作業を開始。海岸のクレーン車で浮桟橋に係留されていたゴムボートを1艇ずつ陸揚げした。その後、浮桟橋と周囲を取り囲んでいたオイルフェンスも撤去した。
 理由について現場の海上保安官は「天気が悪いから」「土日だから」などと海上で抗議する市民らに説明した。ただ海上の波は特に高くなかった。市民らは「政治的な判断だろう」と指摘した。
 浮桟橋は浅瀬部分と陸上部のボーリング調査の終了後、9月19日に一時撤去されていた。