辺野古工事 海上作業を延期 政府が衆院選に配慮


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 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画で、政府は12月14日投開票の衆院選が終わるまで海上での本格的な作業を延期する方針を固めた。一方、仮設桟橋設置などに向けた陸上での準備など、海上と比べて目に付きにくい作業は継続する方針。

 衆院選では知事選に続き辺野古移設の是非が争点になるとみられる。海上作業を強行すれば世論の反発がさらに強まることが予想されることから、移設を容認する与党に配慮して作業を延期した格好だ。
 一方、総選挙の実施で政府予算案の編成は例年の12月から1月にずれ込む見通しだ。政府内には「翁長県政の発足をにらんで海上作業再開は判断すべきだ」(関係者)として、工法変更申請に関する対応や振興予算協議と併せて次期県政に圧力をかけ、来年1月にかけて再開時期を探るべきとの案も浮上している。
 防衛局は取材に対し「準備が整い次第、作業を開始するという方針に変わりはない」と説明している。
 防衛局は今週から仮設桟橋設置に着手するとみられていたが、日程を再調整する見通し。水深が深い9カ所の海底ボーリング調査は選挙後の12月中旬以降に実施を模索するとみられる。
英文へ→Government halts work at sea for new US base in Henoko as it considers election