政治

仲井真知事、工法変更2件承認 退任4日前に判断

 仲井真弘多知事は5日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて沖縄防衛局が提出した埋め立てに関する工法変更申請3件のうち、(1)仮設道路の追加(2)中仕切り護岸の新設―の2件を承認した。土砂運搬方法の変更申請は審査が間に合わず、判断は翁長雄志氏の次期県政に先送りされた。

仲井真知事は公の場に姿を見せず、「承認基準に適合しているとの報告を受けた」との談話を発表した。11月の知事選で移設推進を掲げて落選した仲井真氏の任期は9日までで、退任間際の承認に強い批判が出ている。
 仲井真知事の承認について、10日に知事に就任する翁長氏は「大変残念だ。今後は新しい知事として私が判断し、沖縄の民意を示す」と語った。同じく移設に反対する稲嶺進名護市長は「誰が考えても納得いかない」と批判した。
 仲井真知事は5日午後1時すぎから知事公舎で又吉進知事公室長、當銘健一郎土木建築部長らから2件について「基準に適合」との審査結果の報告を受け、承認した。午後2時半ごろに公舎から車で出たが、取材には応じなかった。
 沖縄防衛局は9月3日に、(1)移設予定地に隣接するキャンプ・シュワブ内の辺野古崎に長短3本の仮設道路を追加整備(2)埋め立て工事の際の通路となる中仕切り護岸の追加(3)埋め立て土砂の搬入方法変更(4)埋め立て予定地に流れる美謝川の水路切り替え―の4件の変更申請を提出した。(4)の美謝川の1件については県が「生物への影響が大きい」と指摘したことで11月27日に申請を取り下げていた。
 変更申請は名護市との協議を避けて手続きを進める狙いがあるとみられ、防衛局は仮設道路と護岸新設工事の入札公告を今後行う見通し。井上一徳局長は「普天間飛行場の返還に向け、引き続き全力で取り組む」とのコメントを発表した。
 承認判断が先送りされた土砂運搬方法については、申請を取り消した美謝川の水路変更を前提としており、県が「つじつまが合わない」と指摘して4回防衛局に質問を出すなど審査が長引いている。
 移設に反対する市民らは5日、県庁で承認しないよう求めると共に、知事公舎前にも押し寄せ一時混乱した。県議会野党も承認断念を求めて県庁を訪れたが、知事公舎に移動した幹部と会えず、承認後に追及した。
 承認を受け、県政記者クラブは県に記者会見開催を求めたが知事は会見せず、コメントを発表した。


辺野古の工法変更申請を承認し、車で公舎を後にする仲井真弘多知事=5日午後2時30分すぎ、那覇市の知事公舎前(普久原裕南撮影)

仲井真弘多知事の工法変更申請の承認に抗議し、警察官ともみ合う市民ら=5日午後3時前、那覇市の知事公舎前

仲井真知事が承認した変更申請


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