ジュゴン、7年ぶり審理 米訴訟再開 年明けにも判決


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】名護市辺野古海域の絶滅危惧種ジュゴンの保全や、普天間飛行場代替基地建設差し止めをめぐって争われる米ジュゴン訴訟の公開審理が11日(日本時間12日)、サンフランシスコ連邦地裁で開かれた。公開審理は7年3カ月ぶり。早ければ年明けにも、遅くても半年以内に判決が出る見通し。

 審理で原告側は、新基地建設について、ジュゴンの生態を懸念する団体や原告との協議など、米国防総省が米国の国家歴史保存法(NHPA)が定める手続きを行っていないと主張した。
 一方、被告側は、建設計画は米国憲法が定めた国家の外交や国防問題には司法が介入できないという「ポリティカル・クエスチョン・ドクトリン(PQD)」の適用事例だと主張し、却下を求めた。
 原告は「NHPAに基づきジュゴンを保護する適正な手続きを取ること自体が、国家の安全保障を脅かすわけではない」との立場で、工事はNHPAに沿った手続きが取られるべきだと主張。手続きが取られるまでは、米管理下にあるキャンプ・シュワブ内に、陸上・海上の工事に関連する作業車両の立ち入りを禁止するよう求めた。
 被告側は「利害関係者」との協議などで「ジュゴンへの影響を考慮する手続きは終えた」としたが、具体的な対象者や内容はPQDの適用事例だと主張していることを根拠に、非公開とした。