政府は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画で、年内に再開する予定だった仮設桟橋の設置作業を来年1月中旬ごろまで延期する方針を固めた。新基地建設に反対する翁長雄志知事の動向を見極めるほか、1月に編成する2015年度予算で移設関連費を確保した上で本格的な海上工事を進める構え。
翁長知事は前知事による辺野古埋め立て承認について、取り消しや撤回も視野に検証すると表明しているが、政府は「辺野古移設が唯一の解決策」(安倍晋三首相)として作業を強行する姿勢を変えていない。
安倍政権は14日の衆院選への影響を避けるため11月21日の衆院解散後、海上での作業を延期している。同16日の知事選前にも同様の理由で作業を中断していたが、翁長氏が10万票差で勝利した直後の同19日にいったん作業を再開し、反発を強めた経緯がある。
こうした経緯を踏まえつつ政府は、15年度防衛予算で移設関連経費を確保した上で作業の再開を模索したいとしている。
沖縄防衛局は来年3月末までに辺野古沖の水深の深い9カ所での海底ボーリング調査を終了させる計画。調査などに使用する100メートル超の仮設桟橋を設置する準備を進めている。来年6月ごろに埋め立て本体工事となる護岸新設工事などに着手したい考えだ。
政府関係者は「知事選や衆院選の結果とは関係なく工事を進める方針は変わりない。準備を淡々と進めており来年1月中旬ごろに作業を再開したい」と話した。