知事「民意尊重を」 防衛局長に辺野古断念要請


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 翁長雄志知事は18日午前、沖縄防衛局に井上一徳局長を訪ね、米軍普天間飛行場の返還に伴う辺野古新基地建設計画に反対する考えを伝えた。続いて米軍キャンプ瑞慶覧に在沖米四軍調整官のジョン・ウィスラー中将、在沖米総領事館にアルフレッド・マグルビー在沖米総領事、外務省沖縄事務所に高田稔久沖縄担当大使をそれぞれ訪ね、新基地建設反対の民意を受けて当選したことを報告した。

 県によると、井上氏との会談で翁長氏は、知事選で新基地建設反対を訴えて当選したことを説明し、移設作業を進める防衛局に沖縄の民意を尊重するよう要請。井上氏は「しっかり承った」と応じた。
 翁長知事は埋め立て承認の取り消しや撤回を視野に検証を実施することなどについては触れなかった。
 ウィスラー中将との会談で、翁長知事は相次ぐ米軍関係者の事件・事故について「再発防止と綱紀粛正を徹底してほしい」と要請した。ウィスラー中将は「良き隣人として県民と米軍の関係強化に努めたい」と話したという。
 マグルビー総領事には、移設反対の民意を受けた知事として訪米する意向を示した。マグルビー総領事は「訪米の際はできる限り協力したい」と応じた。高田沖縄担当大使も訪米の際に外務省として協力する考えを示したという。
 翁長知事は会談後、「普天間基地の撤去と県内移設の反対を掲げ、民意を問うて当選したので、よろしくお願いしますと申し上げた」と説明した。
 県は今回の翁長知事の就任あいさつの日程を公表しなかった。県秘書課は「要請などではなく、あいさつ回りのため日程を公開しなかった。相手側からの公開してほしいとの要望もなかった」と説明した。同課によると、仲井真弘多前知事、稲嶺恵一元知事も就任後にそれぞれ防衛局など関係機関への表敬を行っている。