救急救命士の医療処置拡大 うるま市消防、県内初


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 【うるま】うるま市消防本部(照屋賢正本部長)は25日、救急救命士が一部の医療行為を担う処置拡大の運用を始めた。24日に石川消防署で運用開始式があり、講習を修了した石川消防署警備第1救急係長の新垣順司さんに認定証が手渡された。同本部によれば、県内で運用を始めたのはうるま市が第1号。

 救急救命士法施行規則の一部改正で救命士による救命処置の範囲が拡大され(1)心肺機能停止前の重症病者に対する静脈路確保と輸液(2)血糖値測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与―ができるようになった。
 うるま市は資器材の整備ができたことで運用開始に至った。認定証を受け取った新垣さんは「処置の拡大には責任も伴う。常に勉強をしながらやっていきたい」と気を引き締めた。
 同本部では来年度までに約10人の処置拡大講習修了者を養成し、必要な機材を6台の救急車に整備する。
 開始式では展示訓練もあり、高血圧と糖尿病の持病がある患者が倒れて、救急隊が処置する想定で行われた。血糖値を測定し50未満だったため、意識回復のためブドウ糖溶液を投与した。市消防の救急救命士らは、拡大された処置の範囲や手順を確認した。
 照屋本部長は「多くの市民の命が救えるように指導育成に取り組みたい」と話した。

照屋賢正消防本部長から認定証を受け取る新垣順司さん(右)=24日、うるま市石川消防署
ブドウ糖溶液投与の展示訓練をする新垣順司さんら