反対行動排除を強化へ 辺野古ゲート前、資材搬入で政府


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 政府が米軍普天間飛行場の名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設計画で、近く予定する海上作業の再開を前に、シュワブのゲート前で座り込みなどの反対運動をする市民の排除を徹底するよう警察当局に指示していたことが2日までに分かった。

 移設に向けた作業で沖縄防衛局は、埋め立て予定地の辺野古崎付近で仮設桟橋の設置工事を今月下旬にも始めたい考え。桟橋の整備や海底ボーリング調査の再開に必要な資材を大型トラックで搬入することを計画しており、これに向けた警備強化が検討されている。
 政府関係者によると、防衛省は作業が進展しない要因の一つに貨物車両の往来に抗議する市民らの行動を挙げ、首相官邸に報告していた。
 政府は移設に反対する市民らの「妨害行為」(関係者)の排除が不可欠だとして、警察庁に警備を強化するよう求めた。
 ゲート前では市民と機動隊とのもみ合いで11月に高齢の女性が頭を打って負傷する事例もあったことから、県警がどこまで強制的に対応するかは不透明だ。ただ政府内では「通行車両の往来を妨害する違法行為は徹底して取り締まるべきだ」として往来妨害罪などの適用も検討されている。
 防衛局は海底ボーリング調査の再開に向け、調査海域を示すブイ投下のための浮桟橋の再設置作業などを5日以降に予定しているが、関係者によると、準備の遅れなどから13日以降にずれ込む可能性も出ている。中断している海底調査は今月中旬に再開したい考えで、政府は海上保安庁に海上での抗議活動の取り締まりも指示している。
 海上作業は(1)浮桟橋やブイの設置(2)ボーリング調査(3)仮設桟橋設置工事―などを予定しており、防衛局は3月末までに終了させたい考え。
 その上で6月ごろをめどに、埋め立ての本体工事に着手したいとしているが、昨年12月に就任した翁長雄志知事は「辺野古に新基地は造らせない」と強調しており、政府に作業の中止を求めるほか、前知事による埋め立て承認の検証作業に近く入る予定だ。