辺野古工事費1900億円 来年度予算案、300億円上積み


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 【東京】政府は2015年度予算案で計上する米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた工事費について、当初予定していた1500億円台から約300億円上積みし、1900億円前後に拡大させる方針を固めた。

ことし6月ごろにも本体工事に着手し、作業を加速化させる考えだ。一方、15年度の沖縄振興予算は14年度当初の3501億円から減額させる方向で調整している。
 防衛省は14年度予算で、普天間の移設先に隣接するキャンプ・シュワブ陸上部分の工事費として53億円を計上し、さらに昨年7月に本体工事関連や調査経費として637億円を予備費などから支出することを閣議決定した。15年度は本年度支出額と比較し、3倍近くに膨れ上がる。
 15年度予算では護岸新設やケーソン(コンクリート製の箱)の設置費など、本格的な埋め立て工事費を計上する。これとは別に14年度補正予算で84億円(契約ベースで185億円)を計上。「安全対策」として、海上作業区域に反対派の市民らが入れないようにするためのフロート再設置費や、仮設桟橋の整備関連費などを盛り込んでいる。
 翁長雄志知事は辺野古埋め立て承認の取り消しや撤回を視野に検証する考えを示しているが、政府は翁長県政の検証作業の結果を待たずに、今月下旬にも事実上の埋め立て工事となる仮設桟橋の整備を開始する構えだ。
 中谷元防衛相は11日、辺野古移設計画について「辺野古に移転をするのが唯一の手段で最も早い解決方法だ。工事を推進するための必要な予算は計上している」と述べた。