辺野古、浮桟橋を再設置 防衛局が海上作業を再開


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キャンプ・シュワブの砂浜に設置される海上作業再開のための浮桟橋=15日午後2時13分ごろ、名護市辺野古(普久原裕南撮影)

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画で沖縄防衛局は15日、キャンプ・シュワブの浜から油防止膜(オイルフェンス)を沖へ広げた上で、同海域に浮桟橋を設置した。

昨年11月22日に衆院選を考慮し浮桟橋などが撤去されて以来の海上作業を再開した。県内では昨年1月の名護市長選、同11月の知事選、同12月の衆院選の全選挙区で新基地建設反対の民意が重ねて示されたが、作業の強行で県民の反発が強まっている。
 防衛局は15日未明からキャンプ・シュワブ前のゲート前で座り込みをしていた市民らの強制排除を開始した。100人超の県民らが抗議集会や道路への座り込みを行い、県警との衝突が繰り返された。同日午前8時前にはシュワブのゲート前で抗議行動に参加した80代女性が転倒し、頭部を強打して救急車で病院に搬送され騒然となった。海上ではカヌーで抗議行動をした19人が一時拘束された。
 同日午前10時ごろには、移設に抗議するカヌーなどが進入できないようクレーン車で油防止膜を海上に下ろして連結した。午前11時ごろには、浮桟橋を設置するなど海上作業を進めた。市民らは海上やシュワブのゲート前で「県民の民意を無視した作業をやめろ」と訴えるなど強く反発した。
 浮桟橋は調査海域を示す浮標灯(ブイ)や浮具(フロート)の設置に向けた関連作業で、16日以降に設置作業が行われる見通し。その後、水深の深い12地点で残っている海底ボーリング調査を実施する予定。