辺野古基地建設 国、仮設桟橋を本体工事に転用か


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計画されている辺野古埋め立て本体工事の一部

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の返還に伴う辺野古新基地建設で、沖縄防衛局が海底ボーリング調査に使用するとしている仮設桟橋を、埋め立て本体工事にも使用する可能性があることが分かった。本体工事に仮設桟橋を使用する場合、公有水面埋立法に基づいて設計概要の変更を県に提出することが必要とみられる。防衛局は変更の承認権を持つ翁長雄志知事が移設に反対しているため、変更申請の手続きを回避し、掘削調査にのみ使用するとの説明のまま仮設桟橋の設置工事に着手する方針。

 仮設桟橋は海底に砕石を投入して土台とし、網に入れた石の塊を海面まで積み上げて整備していく予定で、資材はすでにキャンプ・シュワブ内に搬入済み。
 関係者によると、防衛局が予定している埋め立て工事のうち護岸の一部となるケーソン(鉄筋コンクリート製の箱)の新設工事では、ケーソンの蓋(ふた)や海底の基礎部分となるブロックなどをキャンプ・シュワブ内で製作。蓋やブロックはシュワブ沿岸部の岸壁まで運んだ後、作業船に積んでケーソン新設の作業を行うことを計画している。
 防衛局が昨年7月に県に提出した岩礁破砕申請では、仮設桟橋を「仮設岸壁」と記載。幅17メートル~25メートルで海上への資材の積み出しができる構造になっており、関係者によるとブロックなどの積み出しには、この仮設桟橋の使用が検討されているという。
 県に対し、仮設桟橋の用途や撤去時期を防衛局に照会するよう求めた平和市民連絡会の北上田毅氏は「10年前の掘削調査では仮設桟橋は必要としていなかった。掘削調査のためだけに大掛かりな岸壁を整備するのはおかしい」とした上で「県は防衛局がきちんと変更申請の手続きをするまでは仮設桟橋の設置を許可すべきではない」と話した。