「民泊に効果期待」 不登校研究の三池名誉教授


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三池輝久名誉教授(左)と対談する山城克己さん(中央)とホースパークの前川保牧場長=13日、伊江島

 【伊江】小児科医で約28年間にわたり子どもの不登校問題などを研究している熊本大学の三池輝久名誉教授が12日から14日まで伊江村を訪れた。不登校の生徒を民泊体験で復学させた経験を持つ村民の山城克己さんと対談した。

 三池名誉教授は「生きる力が落ちている不登校の子どもたちに『自然』の力が大きく影響を及ぼすのではないか。温暖な気候、豊かな自然、民泊体験で一般家庭に温かく迎えられて支えてもらえる人がいるなどの要素が、伊江島には詰まっている。生きる力を取り戻せる有効性がある場所になる」などと期待を寄せた。
 山城さんは「大人も子どもも、日本中の疲れた人が島で癒やしを感じ、元気を持って帰れる日本の拠点、究極の保養地にしたい」と話した。
 三池名誉教授の研究結果から不登校者の多くは、「夜更かし生活の睡眠欠乏状態の慢性化」によるもの。夜更かし生活は生命力を低下させ、「発達障害との関連性も示唆されている」と警鐘をならしている。
 また、治療法の一つとして効果が高いとされるホースセラピーを視野に入れて、伊江島ビーチサイドホースパークなども視察した。
(中川廣江通信員)