辺野古「作業中止を」 知事「検証委」を設置 来月上旬に初会合


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
辺野古埋め立て承認を検証する第三者委員会の設置を発表する翁長雄志知事=26日、県庁

 翁長雄志知事は26日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画に関する仲井真弘多前知事の埋め立て承認に法的な瑕疵(かし)がなかったかを検証する外部有識者の「第三者委員会」を設置した。

これを受けて安慶田光男副知事が井上一徳沖縄防衛局長と会い、県の検証作業が終わるまで辺野古沖の海上作業を見合わせるよう申し入れたが、菅義偉官房長官は同日午後の記者会見で、前知事の埋め立て承認を挙げ「(移設を)着実に進めることには全く変わりがない」と語った。
 第三者委は知事の私的諮問機関で、メンバーは桜井国俊沖縄大名誉教授(環境学)と大城浩氏、當真良明氏、田島啓己氏の3人の弁護士が確定。このほか環境分野からさらに2人を加えて計6人で構成する予定。
 2月上旬に初会合を開く方向で、早ければ4月にも検証結果をまとめ、翁長知事に報告する。それを踏まえ翁長知事が前知事による埋め立て承認の取り消しや撤回について判断する。
 翁長知事は検証結果の報告時期に関し「4月から6月ぐらい」とした上で「一日も早く検証し、判断をお願いしたい」と説明。埋め立て承認に瑕疵があるとの結論が出た場合は「できるだけその判断を最大限尊重し、対応したい」との方針を示した。
 瑕疵がないと判断した場合に関しても「辺野古(の新基地)は造らせないとの政策は変わらない。その辺からどういう対処ができるかあらためて考えたい」と強調した。
 一方、菅氏は会見で「辺野古移設の埋め立ては、仲井真前知事の承認を得ている。法治国家として関係法令に基づき既に判断がされたとの認識だ」と移設に向けた作業を中断しない考えを示した。
 これに対し翁長知事は、辺野古移設阻止を掲げた自身が昨年11月の知事選で大勝したことを踏まえ「前知事の埋め立て承認に対する審判だったと思う。(自身に投票した)36万の県民の思いは検証チームにも表れている。検証の間(作業を)止めてほしいということをぜひとも理解してほしい」と引き続き作業の中止を求める考えを示した。
英文へ→Okinawa Governor asks for construction work of US base to be halted while panel examines its legality