【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の返還に伴う辺野古新基地建設計画で、沖縄防衛局が近く設置する仮設桟橋(岸壁)の工事開始に向けた準備作業が着々と進んでいる。26日には設置予定場所の近くでは埋め立てに使用するとみられる資材が積まれているのが確認された。防衛関係者によると埋め立てに使用する石材は袋詰めにし、大浦湾に投入するという。仮設桟橋は「事実上の埋め立て工事」(防衛関係者)で、翁長雄志知事が同日、移設作業の見送りを要請したにもかかわらず27日以降も作業が行われる見通しだ。
防衛局は仮設桟橋について「海底ボーリング調査に使用後、撤去する」としているが、関係者によると埋め立て本体工事のうち護岸の一部となるケーソン(鉄筋コンクリート製の箱)の新設工事などへの使用も検討されている。
26日は午前9時前から米軍キャンプ・シュワブ内の大浦湾側の辺野古崎でパワーショベルが砕石のようなものを動かす作業が確認された。作業現場はついたてで囲われているが、パワーショベルの横に、高く積まれた石材が見えており、埋め立てに使用するための準備を進めているとみられる。キャンプ・シュワブ内に網に覆われた石材を多数準備しており、近く砂浜から海底にかけて設置作業を行うとみられる。
仮設桟橋は、防衛局が昨年6月中旬に大手ゼネコンの大成建設(東京)と契約した埋め立て本体工事に向けた準備工事の一つ。長さは100メートル超になる見通し。工事は汚濁防止膜を設置し、作業台船が係留できる水深まで延長する。