辺野古海底のアンカー120個不明 防衛相が認める


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 【東京】中谷元防衛相は30日の衆院予算委で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた作業に関連し、昨年の台風19号の影響で、海底ボーリング(掘削)調査海域を囲む浮具(フロート)を海底に係留していた重量160キロの鋼板アンカーなど248個のうち120個がなくなっていたことを初めて明らかにした。海草藻場で36本のアンカー移動の痕跡が見つかっていることも認めた。

 台風によるアンカー不明については、6日に非公開で開かれた環境監視等検討委員会(委員長・中村由行横浜国立大大学院教授)で報告されていたが、防衛省は報道陣に対し、「現時点での公表は控えたい」として詳細を明らかにしていなかった。共産党の赤嶺政賢氏への答弁。
 中谷氏は、今後の台風対策として「流れないよう(アンカーの)重量を増やす措置や、事前にブイを上げる措置をしていきたい」と述べた。アンカーの重量を増やすことについては「環境基準の範囲内で実施している」として問題はないとの認識を示した。アンカーの移動によるものとみられる大型ハマサンゴ群体の損傷については言及しなかった。
 太田昭宏国土交通相は、新基地建設に反対する市民の抗議船に乗船し、海上作業の様子を撮影していた映画監督の影山あさ子さんが海上保安官に馬乗りされた件について、「そのような事実は確認されていないとの報告を受けている」と述べ、制圧があったことを否定した。危険な行為であるとの指摘について「写真の見方であろうと思う」と述べ、あくまでも身体を保持するための行為であるとし「適切に対応する姿勢を取っている」と強調した。
 安倍晋三首相は翁長雄志知事が求めている面談について「今後、さまざまな取り組みについて、連携を深めていく中で、政府として、対話の機会が設けられていくものと考えている」と述べるにとどめた。