名護市長、辺野古過剰警備を批判 海保に自制要求


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要請後、取材に応じる稲嶺進名護市長=2日、那覇市港町

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設をめぐる警備活動で、新基地建設に反対する市民らにけが人が出ていることについて、稲嶺進名護市長は2日、那覇市の第11管区海上保安本部(秋本茂雄本部長)を訪れ、過剰な警備を自制するよう要請した。要請は非公開で行われた。要請後、稲嶺市長は「(けが人が出たことなど)事実を事実として受け取ってほしい。分からないでは済まされない」と批判した。

 稲嶺市長は昨年8月に辺野古で開かれた県民集会で海保の警備体制を批判しており、今回の要請は事実上の抗議に当たる格好だ。
 稲嶺市長は席上、市民の抗議行動に対する海上警備について、安全確保に細心の注意を払うことなどを求める要請書を手渡した。稲嶺市長によると、応対した11管の高橋博美次長と宮平晃総務課長は「作業を進める側と抗議する側で衝突が起きないよう防ぐのがわれわれの仕事だ」と説明。「安全に気を使っているつもりだ。(けが人については)拘束し、解放する際にけががないことを確認している」と述べたという。
 市によると、要請が非公開となったことについて、11管側から建物の安全管理上の理由との説明があったという。
 稲嶺市長は要請後、記者団に「けが人が出たり、恐怖感を与えていたりするのは『安全を守る』ことを超えている」と指摘した。
 一方、海上での抗議中に海上保安官に確保された際、肋骨(ろっこつ)が折れたという男性は取材に対し「けががないか確認されたのは事実だ。しかしその際に胸が痛いと訴えたが聞き入れられなかった」と話した。