辺野古仮設桟橋工法を変更 防衛省、県に申請せず


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国が変更した仮設桟橋(クリックで拡大)

 【東京】米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、工事水域に設置される仮設桟橋(岸壁)について、2014年7月に防衛省が県に岩礁破砕許可申請を提出した時点から工法が一部変更されていることが5日、分かった。

超党派の国会議員が同日、防衛省から工事に関する説明を受けた際、同省担当者が明らかにした。
 同省は「(環境への)インパクトを多少でも減らすためだ」などと説明したが、関係者からは「工法を変えたなら、岩礁破砕許可申請の差し替えが必要ではないか」と疑問視する声が上がっている。
 岩礁破砕許可申請書では「割栗石(わりぐりいし)」と呼ばれる砕石を海底に敷き詰めた後、その他の資材を上積みすることになっている。だが、防衛省担当者は割栗石を海底に敷くことはせず、根固め用の袋材の中に石を入れて桟橋を設置すると説明した。
 仮設桟橋をめぐっては、大量の資材が必要となるほか、割栗石を海底に敷き詰めることなどから、本体工事にも継続的に使用する可能性が指摘されている。
 同省担当者は「現時点では調査に使用することで変わりないが、(仮設桟橋の)取り扱いについては調査の進展を踏まえて適切に対応していく」と述べた。
 同席した平和市民連絡会の北上田毅さんは「桟橋で重機などを使用する場合、強度が必要で、割栗石を敷く必要があったはずだ。防衛省の説明はかなり無理があり、現実的に不可能だ」と指摘。「仮設桟橋が撤去できると言いたいために説明しているのであって、実際は割栗石を投入するのではないか」との見方も示した。