やんばる乱開発に「異議」 石川ひまわりキッズシアターが音楽劇


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ヤンバルの森の動物やマモルとカツミに追い出されたオスプレイ=1月31日、うるま市の石川保険相談センター

 【うるま】うるま市石川地域の子ども劇団「石川ひまわりキッズシアター」のミュージカル「ヤンバルクイナが飛んだ」(NPO法人石川・宮森630会、NPO法人りんく・いしかわ主催)が1月31日、市石川保険相談センターで上演された。

風刺と笑いを混ぜながらやんばるの森と海、さらに人間の命がつながっていることを表現した。
 物語の舞台はノグチゲラやホントウアカヒゲ、クロイワトカゲモドキなど国指定天然記念物の動物たちがすむやんばるの森と、ジュゴンが生きる海だ。
 動物たちが集まる森に「ヤンバルクイナを取ってくると高く売れる」と潜り込んだ少年2人と、昼夜を問わず騒音と振動をとどろかすオスプレイ、海を埋めようとする工事作業員たちが登場。比嘉七海さんが扮するゲラ爺(ノグチゲラ)が「このままじゃとやんばるの森と海が大変なことになる」と開発に異議を訴えた。父母が作った衣装や小道具、新しく4人の中高生をメンバーに迎えたバンドの生演奏で臨場感ある舞台が展開された。
 めいが出演したという金城光子さん(60)=うるま市=は「初めて見たが感動した。自然のことを表現する子どもたちはすごい」と感想を語った。
 劇団は宮森小学校米軍機墜落事故を伝える630会と、子どもたちの健全育成のために活動するりんく・いしかわが創設し、3年目になる。終演後には知花里奈さん=同=が1月12日に死去した630会の豊濱光輝会長に「期待に応えられるよう仲良く楽しく頑張っていく」と言葉を送った。豊濱会長の遺族も遺影を持って最前列で鑑賞した。