辺野古承認検証委が初会合 7月に報告、「撤回」は協議せず


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辺野古埋め立ての承認判断の是非について検証する有識者らの第三者委員会の初会合=6日、県庁

 県は6日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に関する仲井真弘多前知事の埋め立て承認を検証する有識者の「第三者委員会」の初会合を開き、検証作業を開始した。毎月2回程度、計10回ほど会合を開く。委員長に選任された大城浩弁護士は会合後、検証結果について「6月中には意見を取りまとめ、遅くとも7月には県に報告する」と説明した。承認に法的な瑕疵(かし)がなかったかどうかの検証に向け、政府の埋め立て申請書や県の検討資料を調査し、県職員の聞き取りなども行う。

 第三者委は辺野古移設の阻止を掲げる翁長雄志知事の私的諮問機関との位置付け。翁長知事は手続きに瑕疵があった場合は承認の「取り消し」、瑕疵がない場合も承認の「撤回」が可能との見解を示しているが、大城氏は会合後「撤回は第三者委が話し合う問題ではない」と説明した。
 会合は冒頭以外は非公開で行われた。最初にあいさつした安慶田光男副知事は「検証結果は今後の対応の参考にする。公正中立な検証作業をお願いしたい」と求めた。
 初会合について翁長知事は出張先の東京都内で記者団に対し「(辺野古移設反対の)公約が一つ前に進んだ」と述べ、評価した。 委員会は大城氏、田島啓己氏、當真良明氏の3弁護士と環境分野から選ばれた桜井国俊沖縄大名誉教授、土屋誠琉球大名誉教授、平啓介東京大名誉教授の3人の計6人で構成する。
 それぞれが専門分野から各資料を読み込み、論点整理から始める。会合は今後も非公開で進めるという。次回会合は26日の予定。
 移設計画で政府は6月ごろまでの埋め立て本体工事着手を目指している。第三者委の議論の加速を求める声もあるが、大城氏は会合後の記者会見で「それなりの質を求められている。中身を薄くするわけにはいかない」と述べ、時間をかけて検証する必要性に理解を求めた。