シンポ「うるま市の闘牛文化を考える」 観光活用へ提案次々


社会
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闘牛の観光資源活用を話し合ったシンポジウムの登壇者=1月28日、うるま市の勝連きむたかホール

 【うるま】シンポジウム「うるま市の闘牛文化を考える」(市商工会主催)が1月28日、うるま市のきむたかホールで開かれた。5月の「全国闘牛サミットinうるま」や、来年度から始まる闘牛文化体験プログラムを前に闘牛の観光資源としての活用を議論した。

討論で市商工会の新垣壮大副会長ら4氏が観光客に見せる専用の牛舎や「元チャンピオン」の印を掲げた牛舎の散策ルートの整備、闘牛関連のポストカードや野菜を売るなど土産品開発を提案した。
 討論で進行役を務めたTAISHI代表の菅野剛さんは「観光客は自分にない文化を求めている。地域のおじいちゃん、おばあちゃん、子どもが見ている闘牛は一つの文化だ」と魅力を語った。
 牛主の家で育ち、写真集「闘牛女子」を出版した久高幸枝さんは、生後2歳の牛を18歳になるまで育てていたエピソードを紹介。「牛は家族という感じだ」と話す一方、幼いころから見ていた父の姿を重ね「女性を引き込むのは闘牛士。普段、話している姿と違って戦いの時はかっこいい」と話した。
 闘牛アナウンサーの伊波大志さんは牛舎に見学に来た人が、牛が餌を食べるのを見て驚く例を挙げ「観光客に普段の様子を見せるだけでも新鮮に見える」と述べた。
 一方で、観光への活用のため、牛舎を管理し、牛を育てている牛主との調整の必要性が議論に上がった。与勝闘牛組合長の大城秀司さんは「今も見学の問い合わせはあるが、牛舎の環境、見学の時間、大会前の牛との調整が難しく実現できなかった例もある」と話した。
 闘牛好きという宮沢和史さんや「ひーぷー」こと真栄平仁さん、HYなど著名人も闘牛文化の発展を期待するメッセージを寄せた。