シュワブ米兵、拳銃抜き歩く 辺野古抗議活動市民「威嚇だ」


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新基地建設に抗議する市民たちの前で拳銃を持って歩く米兵=9日午前11時半、名護市辺野古(水鳥陽平さん提供)

 【辺野古問題取材班】名護市辺野古への新基地建設に反対する市民らが抗議を続ける名護市の米軍キャンプ・シュワブで、9日午前11時半ごろ、市民らがフェンス越しに抗議の声を上げていた際、基地内の建物から出て来た米兵が拳銃を抜き、銃口を上に向けながら歩いている様子が目撃された。市民らは「発砲するのではないか」とおびえ、現場は緊張感に包まれた。

 現場はシュワブのゲート前から約1キロ先の海上工事が見える場所。約150人の市民が海に向かって抗議の声を上げていたところ、米兵が拳銃の銃口を上に向けた状態で持ったまま、基地内の建物から出て来た。
 米兵に気付いた市民たちは「拳銃を持っているぞ」と叫び、騒然となった。米兵は5分程度、フェンス越しに拳銃を持ったまま市民らの前を100メートルほど歩いた後、他の米兵と共にトラックに乗って走り去った。
 米兵を目撃した比嘉美代子さん(69)=沖縄市=は「今にも引き金を引きそうで怖かった。私たちを威嚇しているようだった。市民の前で銃を出すなんて信じられない」と憤った。
 在沖海兵隊は、兵士がフェンス内で拳銃を抜いていたことについて、本紙の取材に「武器の取り扱いの手順について(本紙と)議論することはできない。全ての兵士は米国の代表で、日米安全保障条約を支援するために駐留している」と述べ、取り扱いが適切だったかどうかには言及しなかった。