辺野古の海保警備「適切」 政府が答弁書決定


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】政府は10日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた作業に抗議する人たちと警備当局との衝突で、市民らにけが人が出ていることについて「具体的にどのような事態を指すのか必ずしも明らかではないため、答えることは困難だ」とする答弁書を決定した。糸数慶子参院議員(無所属)の質問主意書に答えた。質問は1月16日と19日に市民が海上保安官の警備活動中にけがをしたことについて指摘していたが、回答を避けた格好だ。一連の海上警備に関して「業務は適切」との見解も示した。

 糸数氏は1月20日に市民の抗議船に乗船していた映画監督の影山あさ子さんに対し、海上保安官が馬乗りになりカメラを取り上げようとした行動や、市民らを海上に落とすなどの行為について法的根拠などをただしたが、答弁書は「海上保安庁法の規定に基づき、海上の安全および治安を確保するための業務を適切に行っている」と回答し、適切に対応しているとの見解を重ねて示した。
 辺野古の海上やキャンプ・シュワブ前での抗議行動では、県警や海保などの警備活動との衝突で市民らにけが人が相次いでおり、名護市議会が過剰警備だとして抗議する意見書を可決し、翁長雄志知事が第11管区海上保安本部や県警に警備を自制するよう要請、稲嶺進名護市長も11管に同様に申し入れている。
 一方、太田昭宏国土交通相は1月30日の衆院予算委員会で、海上保安官の「馬乗り」について「そのような事実は確認されていないとの報告を受けている」と否定。「写真の見方であろうと思う」と述べ、馬乗りではないとの見解を示した。保安官の行為についてはあくまでも女性の身体を保持するための行為で、「適切に対応する姿勢を取っている」と強調している。