辺野古岩礁破砕 翁長知事、一時停止指示を検討


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
岩礁破砕をめぐる県と国の主張

 翁長雄志知事は12日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて沖縄防衛局が設置しているコンクリート製の「トンブロック」(10~45トン)が岩礁破砕の許可をした範囲外でサンゴなどを破砕していることが判明した場合、防衛局に対し一時停止を指示する考えを示した。

県水産課は破砕された岩礁の原状回復を命じることも検討している。海上作業の停止と原状回復が求められれば埋め立て工事に遅れが生じるのは必至だ。
 翁長知事は12日、同問題について与党県議らと協議した。協議後、一時停止指示について記者団に対し「当然そういうこともある」と述べた。
 ただ防衛局側は「アンカー(重り)の設置については県から許可申請は不要だと説明を受けた」と主張しており、海上作業を続行する構えだ。防衛局はトンブロックに関する県の再質問への回答提出期限である12日、回答を発送した。
 県の漁業調整規則に基づく岩礁破砕の取り扱い方針は、船舶のアンカーについては岩礁破砕の許可は不要としている。一方でトンブロックと同等の重量がある消波ブロックについて「許可が必要な行為」と定めており、県の許可のないトンブロック設置は同規則に抵触している可能性がある。
 県水産課は「これほど大きなコンクリートブロックを投入することは聞いていない。岩礁破砕の取り扱い方針を読み合わせ、『船舶の投錨(とうびょう)』については協議は要らないと説明したが、このトンブロックはそれに当たらない」と指摘した。
 県水産課によると、前県政時の昨年6月に防衛局と岩礁破砕について調整した際、「一般的に船舶からの投錨については申請は不要」との説明を行ったという。
 県水産課はトンブロックについての質問で(1)昨年の岩礁破砕許可の範囲と、現在設置しているブロックの位置関係(2)設置の際の岩礁の破砕や岩石の採取などの有無(3)ブロックの重量別設置個数-などを照会している。